ユダヤ人と言語 Jews and Languages

みんな何かでマイノリティ。鴨志田聡子のブログです。All of us are minorities. By Satoko Kamoshida

授業参観で思ったこと

この前、近所の区立小学校の授業参観に行ってきました。

小学校の低学年が、自分たちができるようになったこと、好きなことを発表してくれました。みんなのプレゼンにとっても感動しました。担任の先生がいろいろ工夫してくださっているのがすごくよくわかりました。

子どもたちが楽しんで取り組んでいた感じで、超心に訴えかける発表をしてくれました。なんと、手話もあったんですよ!その子の発表のおかげで、たまたま近くに座ってたママたちが手話を学んでいることが発覚(私も手話通訳学科というところで文化人類学を教えてますので、手話にかかわってます。でもまだ全然できないです)。
最後にみんなが親に向けて「ありがとうの花束」という歌を歌ってくれました。思わず、「卒業式かっ?!」てくらいに感動して泣いてしまいました。自分の子はもちろんのこと、二年間見てきた息子のクラスメイトがみんなほんとうに成長しました。みんなそれぞれ好きなことがいろいろあって素敵だなとか、がんばってくれてる担任の先生ありがとうとか、自分が子育てしながら仕事して超大変だったけどやってよかったなとか思いました。ちょっと落ち着いてくると、来年度(4月から)の大学での授業はこうしようかなとか(いいプレゼン見てしまったので。泣きながら結局イディッシュ語に戻るのだった)考えたりもしました。

授業参観の日にみんなが「ありがとうの花束」歌いそうなことが何となくわかっていたので、なんとか泣かないで済まそうと思ってたのだけど、無理でした。そうこうしているうちに、隣のママがティッシュをくれて。。。涙が完全にあふれ出してしまったのでした。自分ちの子も、この学校で育ててもらって本当によかったと思ったのでした。

息子が帰ってきたときに「私泣いてるの見えた?」と聞いたら、「みんなそのこと話してたよ」とのこと。さすが小学校。

知人の個展、演劇のご案内

3つあります

⑴個展のご案内

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↑東大の院生。古典ギリシャ語がご専門ですが、イディッシュ語も受講してくれました。

  

⑵写真展のご案内

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ヘブライ語活版印刷に参加してくださった方。

会場には写真と一緒に油絵も飾ってありました。写真集も置いてあり、自由にみられました。

↓ウェブサイトも素敵でした。

教会建築 | 若松町 | 美術家 鈴木元彦

教会の写真をたくさん撮って出版されています。

『東京の名教会さんぽ』鈴木 元彦

https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4767824249/ref=mp_s_a_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&qid=1521162091&sr=1-1&pi=AC_SX236_SY340_QL65&keywords=鈴木+元彦&dpPl=1&dpID=51DdDQGXBGL&ref=plSrch

演劇のご案内

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 ↑学部時代から縁のある濃い劇団。その後、イディッシュ語つながり。いつも迫力がある劇団。

 

 

 

ご報告(写真) ヘブライ語語活版印刷@渋谷

活版印刷のワークショップのご報告です。講師としてヘブライ語入門講座をしました。かなりおしゃれなヘブライ語の会でした。

どこで使われているの?ということでイスラエルの市場や丘からみたエルサレムなどの写真をお見せしたりしました。

今回やってみて楽しかったので、将来ヘブライ語の初級講座やってみたいなと思いました。

I taught Hebrew for the first time in my life!

写真は全てPrintworks Studio Shibuyaさんにお借りしています。

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撮影:Printworks Studio Shibuya

↑『現代ヘブライ語辞典』(2006、日本ヘブライ文化協会)に大変おせわになりました。付録もとってもいいですね!作ってくださった先生方ありがとうございます。壁のヘブライ文字一覧表をさして喜んでいるのが私です。この表はすごくいいです。

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撮影:Printworks Studio Shibuya

↑こちらもスクリーンに写っているのも『現代ヘブライ語辞典』(2006、日本ヘブライ文化協会)からです。絵が素敵です。ホワイトボードに文字を書いてくれているのは、東大の大学院生(専門中国語。そしてポーランド語もすごい)をしている方です。外大のオープンアカデミーでイディッシュ語を受講してくださっています。

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撮影:Printworks Studio Shibuya

活版印刷についてお話しされている、Printworks Studio Shibuya の店長。f:id:syidish:20180226125402j:plain

撮影:Printworks Studio Shibuya

↑順番に名刺印刷中です。活版印刷、とってもいいです。印刷していると無になれます。

 

東京外大講座の申し込み開始しました!(東京外国語大学社会人向け)

(2018年夏期講座は府中です!:
夏期講座 2018 Yiddish Summer Program in Tokyo - ユダヤ人と言語 Jews and Languages


春からマイナー言語!!

外大までは行けないけれど、「本郷までなら」、「青山までなら」、または「夜なら府中いける!」と言う方、必見です!マイナー言語から超マイナー言語まで、そしてもちろんメジャー言語も!!たのしい講義が受けられます。講師は外大の講師や名誉教授と豪華です(別に自分のことは言っていません)。なのに一般的な語学講座に比べて一回あたりの受講料が超格安です!!!
これまで講師室お会いした他の先生方も素敵でしたし、先生方から伺う受講生の皆さんのお話はかなりナイスでした♪
語学や文化の話をネタに、いろいろお話も弾んで、授業の前後もわいわい楽しかったですよ。
マイナー言語について語り合える友達を見つけるのにはまず最適です。

2017年度のこと:
2017年度イディッシュ語修了〜 - ユダヤ人と言語 Jews and Languages
Yiddish Summer Program in Tokyo 2017 イディッシュ語夏期講座が無事終了しました! - ユダヤ人と言語 Jews and Languages

ということでちょっとでも気になった方は、ぜひクラスをのぞいてみてください。

わざわざ一コマのためにというのはちょっと・・・という方へ。

イディッシュ語の後にアムハラ語
イディッシュ語の後にイタリア語
キルギス語の後にイディッシュ語
(同じ木曜に入っている先生と組み合わさせてもらってみました。)
など、同じ日に2コマ(余力があれば3コマ)授業を受けることも可能です。
(予習復習は頑張ってください!)

イディッシュゴリ押しですみません。自分のクラスなのでつい。。。
いろいろな言語の組み合わせでもできますし、もちろん一つでも。
ちなみにイディッシュは木曜に午後2時から初中級、午後4時半から初級の順で2コマやります!
tufsoa.jp

こんなに!!!↓
語学講座
アムハラ語 アラビア語 イタリア語 イディッシュ語 ウクライナ語 ウルドゥー語 英語 エスペラント オランダ語 広東語 カンボジア語 キルギス語 スロヴェニア語 スウェーデン語 スペイン語 スワヒリ語 タイ語 チベット語 中国語 朝鮮語 ドイツ語 ハンガリー語 ヒンディー語 東アルメニア語 フランス語 ブルガリア語 ベトナム語 ベンガル語 ポーランド語 ポルトガル語 マルタ語 リトアニア語 ルーマニア語 ロシア語 ネパール語
「!!こ、こんなに?!?!!」
できることなら全部やりたいです。まずはアムハラ語かな。というのもイスラエル留学時代のルームメイトの家族の言語でした。

特別講座
にほんご指導者養成プログラム


教養講座
音声学 古教会スラブ語 ヨーロッパ歴史 ロシア・スラヴ文化 ポーランド映画 ベンガル詩人 タゴール 世界の言語
国際交流入門 地域コミュニティを考える キリスト教儀礼 日本の宗教文化(仏教)
教養講座は、いきなり語学はちょっとという方に最適。

3月3日遺跡発掘系お好きな方へ

東大の市川先生方がやってらっしゃる遺跡発掘系の研究です。去年聞きに行きましたがいろいろ面白かったです。出土したお金でいつ頃の遺跡かわかるらしいです。色々すごそうなものが出てるみたいですよ!私も行きたいな。。。

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発泡剤とバリウム

健康診断でした。最大の難関はバリウムそしてそれに続く胃の撮影です。
昨晩9時からプチ断食しているのもこのためなのです。

会場では私の前の人は発泡剤がどうしても飲み込めず、すごく苦しそうでした。
その人の声が聞こえてきます。発泡剤はともかく、迫りくるバリウムの恐怖を感じました。

発泡剤飲み込み用のブースには、いやし効果がありそうな、
いわゆるヒーリング・ミュージックが流れていました。
そのおかげで、緊張や恐怖もやや緩和されました。
こういう音楽って本当に効果あるんだなと思いました。

今訳してるヘブライ語児童文学では、音楽の大会のことがでてきます。
「あの主人公もこんな気持ちでステージに立ったのかな」なんて思いました。
(今月はこれにかける時間が多いので、この文章の調子が作品と似てきます)

発泡剤というのを口に入れてから、それをちょっとのバリウムで流し込むようにとのこと。
保健師さんが私の隣でじっと見守ってくれました。

「ゲップは検査が終わるまで我慢してください」

と言いながら。
噂では最近のバリウムは「だいぶおいしくなっている」と聞きました。
安心していましたが、バリウムのコップは持ったときにだいぶ重かったです。

やっぱりバリウムだな。
紙コップに入ってるくせに半端ないその重さからも牛乳じゃない、これはバリウムだ。
もう自分へのごまかしはききません。

「いよいよ、始まったぞ、始まったんだから、あとは終わるだけ」

自分にしてはいさぎよくて、かっこ良かったと思います。

発泡剤を飲み込むと、次は撮影ルームに移動です。

撮影といっても、胃の撮影です。マジでやらないと。

バリウムを片手に持ちながら、重くて厚い扉の向こうに入っていきました。
撮影ルームには、動くベッドみたいなものが立って、私が乗るのを待ってるはず。

かつての「ルーレットマン」↓を彷彿させます。
www.youtube.com

といっても、レントゲンの「ベッド」は、かわいい黄色をした、もっと真面目な長方形の台でした。

「ついにのぼるんだな」
気持ちを強くしてバリウムと進みました。

「今、ここ」と向き合うだけ。

胃の撮影は放射線技師がやってくれることになってます(まだこういった検査をやったことがない人のために補足しとくと)。

放射線技師は、撮影室のガラスの向こうにちょうどラジオのDJみたいに座ってます。
こっちを見て、ガラス越しにマイクで優しい声で指示出ししてくれます。

技師の指示に従ってバリウムを飲み込みました。
(最後の一口が苦しかった)
バリウムのコップを横にあったゴミ箱に投げ捨て、

「よし!行くぞ」

って思いました。

いよいよです。

「ルーレット、スタート!」

って心のなかで叫びました。

技師の声は優しくていやされたんですが、実は聞こえにくかったです。

「もっと大きな声で言っていただけませんか」

とはいえませんでした。

胃の撮影がつつがなく終了しますように。
そのきっとすべては彼にかかっているのです。
だから彼からの連絡をとにかく注意深く聞きました。

「はい、ベッドの上で一回転してください」

(といっても硬い。一回転はバク転ではなく、寝返りみたいな感じです。こうやって動くことで、胃の壁にバリウムを塗りつけます。まだやったことない人のために言っておくと。)

「左側に向いて、はい、もうちょっと正面」

私には見えてないが彼にはきっと見えてるだろう私の胃。
ベストの状態で撮影されるように注意をはらいます。

「今度は右です。もうちょっと正面向いてください、はい、いいですよ」

聞こえにくい技師の声。
それに集中しようとしているうちに、それがどこか遠くからの声のように思えてきました。

「また右にぐるっと回ってください」

一日経った今となってはもうちゃんと覚えていないけれど、こんな感じだったと思います。

去年は悲劇が起こり、検査の途中で新しく用意された追加のバリウムを飲むはめになりました。
今年はそれだけは避けたい、私は技師との共同作業に必死でした。

結構途中きつい体勢もありました。

「ハンドルに捕まって自分の身体を支えなければ、あの、安全ストッパーがあるところまですべってしまう!」ってくらいに頭のほうが低く下がっていきました。
筋力不足の私は、「おばあさんになったらこの検査できるかな・・・」と思いました。

最後の一枚を撮影する瞬間、大きなゲップが出てしまいました。「大丈夫だったんだろうか」

きっと技師には私の胃が見えているんだから大丈夫だろう。
追加のバリウムや発泡剤への恐怖をかき消しました。

「はい、終わりです」

技師の声でした。

保健師さんが撮影室から出るように促してくれました。

「終わった。終わったんだ」

やり遂げた気がしました。
その後採血がありましたが、全然だいじょうぶでした。
(去年はさしても血がなかなか出なくて、すごい痛い思いをしたんですが、今年は大丈夫でした)
良かった。やった、やったよ・・・。 続かない。

4/14(土)朝日カルチャーセンター 毎週語学の授業はまだちょっと、という方へ!イディッシュ語入門

語学はちょっと・・・という方、おためしでイディッシュという方、なにそれ?!という方へ、朝日カルチャーセンターでイディッシュ語入門の授業をしますのでぜひいらしてください!イディッシュのこと好きになっていただけると良いです。よろしくお願いします!!

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詳細はこちら:

イディッシュ語入門| 横浜教室 | 朝日カルチャーセンター

イディッシュ語はドイツ語じゃありません!

最近、「ドイツ語とイディッシュ語はほとんど同じなんでしょ」と数人から言われました。違います。ツイッターフェイスブックでもイディッシュ語が「ドイツ語の一方言」扱いされたことで炎上してたらしいです。今週ぶらっと行った複数のところでそれが話題になっていました。二つは違う言語です。聞いて読んで喋って書いて、訳して...と、実際いろいろと使っている人には違うってことがよくわかります。
どうせ同じなんでしょって思っている方は、それなりにはご興味をお持ちだと思いますので学んでみてください。生きたイディッシュ語に触れると、考え方も変わり、新しい世界が見えてきますよ!あと、楽しい仲間もできます。人生豊かになりますし、ほかのことば、自分のことばのことも見えてきます!
それにしてもイディッシュ語で炎上するほど注目されているんですね。2年間頑張って外大と東大で教えた甲斐があったってもんです!嬉しいと思っておきます。
ことばは生きています。どんなことばもみんな大事です。大切にできるといいですね。

『クザリ』――文学・哲学的創造とその伝承

今日はこちらの↓シンポジウムに向けて東大で『クザリ』の読書会をしました。『クザリ』はユダヤアラビア語で書かれたんですよ。われわれはヘブライ語、英語、ドイツ語で読んでます。

スペイン、イスラム地域のユダヤ人、ハザール人などにご興味がある方はどうぞシンポジウムにいらして下さい。

科研費特別シンポジウム

『クザリ』――文学・哲学的創造とその伝承

 日時:2018年3月10日(土) 13:00-18:00
 会場:東京大学本郷キャンパス 法文1号館 219教室
 プログラム:
 13:00-13:15 趣旨説明
 13:15-14:00 根本 豪 (エルサレムヘブライ大学修士課程)
   「理性の前の宗教 クザリとその射程」
 14:00-14:45 飯郷 友康 (東京大学非常勤講師)
   「近世におけるクザリ受容の一例」
    (休憩)
 15:00-15:45 長塚 織人 (東京大学博士課程)
   「ユダヤスペイン語文学における対話と弁証
    ――アブラハム・カポンの親スペイン的小

               品を例に」
 15:45-16:05 コメント① 山城 貢司(日本学術振興会特別研究員PD)
 16:05-16:25 コメント② 向井 直己(京都大学特定研究員)
     (休憩)
 16:45-17:45 全体討論

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「ドイツ語から見たイディッシュ語の特徴」by上田和夫先生

イディッシュ語のクラスを受講される方から、「ドイツ語とイディッシュ語を比べたい」というご要望がしばしばあります。私は比べるのがあんまり得意じゃないですので、長年イディッシュ語を研究されてきた上田和夫先生の論文「ドイツ語から見たイディッシュ語の特徴(1), (2)」(福岡大學人文論叢)をご紹介しようと思います。

これらの論文は↓PDFになっています。下のクリックすると、いきなりダウンロードできます。

(2)の冒頭の引用はかなりインパクトあります。例文は今の口語のイディッシュ語と違うものもあって、出典に興味があります。イディッシュ語も他の言語と同様、時代や地域、話者集団(その言語を話す人たちのグループ)によってだいぶ違うので。引用というより話者に聞いたんだろうか。いずれにしてもドイツ語とイディッシュ語の比較をさらっとしたい方におすすめです。
「ドイツ語から見たイディッシュ語の特徴(1)」by上田和夫

https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=990&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1&page_id=13&block_id=39
「ドイツ語から見たイディッシュ語の特徴(2)」by上田和夫

https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=1012&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

上田先生が研究に使われた超貴重なイディッシュ語の本や雑誌の一部を譲り受けました。それを見ると先生が非常に真剣に丁寧に文献研究をされたということがよくわかりました。私が上田先生に初めてお会いしたのは、2011年に博士論文を書いたあとでした。上田先生もその頃大学書林から『イディッシュ語辞典』を出されて(イディッシュ語研究が日本でなされていることが話されるときにいつも引き合いに出される世界的に有名なガチな辞書です)、出版記念の講演をされた時でした。

イディッシュ語辞典 - 株式会社大学書林

初めて会った瞬間、お互いにイディッシュ語が大好きなことがわかりました。上田先生は当時九州にお住まいで、私は東京で、それまでは手紙でやりとりさせていただいたのです。直接お会いして、物理的にも精神的にもなんだか急に距離が縮まったのを覚えています。

上田先生は文献研究が中心、私はフィールドワークが中心ですので、研究手法も全然違うのですが、事実に基づきイディッシュ語の世界を探究する姿勢が同じことを知りました。上田先生からいただいた本や、共通のユダヤ人の知り合いから聞いた話でそれがよくわかりました。

ある言語の研究にかかわるとき、私は話者の世界観を学びそれを尊重することは非常に大事だと考えています。その言語の所有権は、彼らにあるのですから。

3月27日ポスト=トラウマ時代:イスラエルと日本

山城さんより講演会のお知らせです。山城さんは当日解説・翻訳者をされます。彼によれば、テーマはトラウマと文化に関するもので、ホロコーストや「戦後」の問題も扱う予定で、関連分野は、社会学・心理学・歴史学・哲学あたりだろうかとのことです。アタリア先生はまだお会いしたことがないので知らないですが、山城さんは優しいし、とっても面白い方です。イスラエルユダヤのことに大変お詳しいです。

 以下、講演会のお知らせより引用です:

東海大学文明研究所・公開講演会 2018 年 3 月 27 日 15:30~17:20

「ポスト=トラウマ時代:イスラエルと日本」
ヨハイ・アタリア(イスラエル,テル=ハイ・カレッジ上級講師)

通訳・解説:山城貢司(日本学術振興会特別研究員 PD/東京大学)


講演要旨
本講演の第一部では、今日我々が生きている社会を「ポスト=トラウマ的社会」と定義で きるかどうか明らかにしたい。この論点の検討において、日本とイスラエルは、決定的な 位置を占めていると思われる。「アウシュヴィッツ」と「ヒロシマ」−−それが起きたこと で、「人間」の概念が意味を失ってしまった「出来事」−−は、各々独自の仕方で、文化の 中のブラックホールを形成している。続いて講演の第二部では、「行動化」と「徹底操 作」という二つの基礎概念に焦点を定め、イスラエルと日本が、それぞれ似て非なる仕方 で、第二次世界大戦の顚末とどのように向き合っているかを見定めたい。イスラエルが、 究極の生贄という意識状態の中で「身動きが取れなくなっている」一方、日本は、加害者 であったと同時に犠牲者でもあった過去の記憶とのより複合的な対話を続けている。
*講演は英語で行われ、セクションごとに日本語での要約が補足されます
講師紹介
ヨハイ・アタリア(Yochai Ataria)。テル=ハイ・カレッジ上級講師、オープン・ユニバ ーシティ研究員。トラウマに関する理論的・経験的・哲学的論文多数。複数の編著あり。 近著に、The Structural Trauma of Western Culture (Palgrave Macmillan, 2017)。また、 Body Disownership in Complex Post-Traumatic Stress Disorder が来年刊行予定。
会場
東海大学湘南校舎,19 号館 3 階 307 室(ミーティングルーム4)

アクセスマップ

http://www.u-tokai.ac.jp/info/traffic_map/shared/pdf/shonan_campus.pdf

チラシ↓ 

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塩焼きそば

学部時代の指導教官の大好物でした。

俺の塩 | 商品情報 - 東洋水産株式会社

先生は研究室の入り口に時刻表と俺の塩という焼きそばを重ねて置いていました。まわりの店で食べたいものがほとんどないから(一軒しか決まった店がなかったのです。今はその店もつぶれちゃいました)、俺の塩を研究室にキープしているとのことでした。

大学院入試に合格した時、先生の研究室で一緒読書会をしてた先輩が、俺の塩を4個くらいくれました。

何年も前のことなんですが、その先生は亡くなってしまいました。本当に悲しかった。

今でも塩焼きそばを食べると先生のことを思い出します。

御礼!ワークショップ満席になりました

以前↓こちらでもアナウンスしたヘブライ語入り名刺作りのワークショップすぐに満席になったそうです。

Feb 24 Shibuya Hebrew Letter Print Workshop ヘブライ文字の活版印刷の名刺 - ユダヤ人と言語

予定人数をオーバーする申し込みがあり、締め切り前ですが受付終了になったとのことです。

10人以上集まったことに安心した一方で(何人集まるんだろうって思ってました)、どういうところにニーズがあるんだろうと不思議に思っています。参加者の方々にお会いするのが楽しみです。

イディッシュ受講者紹介 + Sandy Fox + Lily Kahn (2014)

東京外国語大学オープンアカデミーのイディッシュ語講座初中級の受講者の皆さんのご紹介です。

まずはこの講座が長めの方から。

まずは我らに人生の先輩でもあるMileStoneさんです。イディッシュ語学習者だけではなく、熟練のブロガーさんです。

MileStone さんはブログにこれまでのイディッシュ語のクラスで何をやったか書いてくださっています。4月から初中級の講座を受講してくださる未来の仲間の方はMileStoneさんのブログをご参照ください!

こちら:

MileStone 이선희 팬

それにしても「イ・ソンヒファンの日々よしなしごとの綴り」と副題のつけられたブログの中にイディッシュ語の話が出てきてなんとも珍しい、おそらく世界初のマリアージュです。

さて次は第二外国語イディッシュ語というアーティストのあやさんの作品です↓

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ホワイトボード書く係を担当していただきました。アーティストですから、さすが文字も絵もお上手でバランスも素敵。自分で書いた時はバランスが悪くてホワイトボードに全員書ききれなくなりましたから、あやさんがいらっしゃって助かりました。リリー・カーンさんのイディッシュ語の教科書(77ページ)にある家族の絵を描いてくれました。

イディッシュ語フェミニストポッドキャスト運営者であり研究者のサンディー・フォックス(Sandy Fox, NYU)さんによれば、このリリー・カーンさんの教科書の値段が今超高騰しているようです。

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中古で可の本が3000ドル以上って。手元のリリー・カーンは中古で4千円くらいで買いました。。。コンディションいいんですが、なぜかインドっぽい香りが消えません。

Sandyさんの投稿に寄せられたコメントによれば、↓下のリンクからだとまだ安く買えるとのこと。よかったですね。

Colloquial Yiddish New Edition w/Free Audio Online by Lily Kahn – Yiddish Book Center Store

さてさて、最後になりましたが、今年度の秋冬学期からの受講してくださっているのが、ジンタラムータさんたちです。さすがクレズマーのプロ(国内外で有名なアーティストさんなんですよ)、もうすでに、イディッシュ語で読み書き(もちろんスマホでも)そろばん(この前は足し算しました)できます。すごいですね。

ジンタラムータさんたちについては、このブログでいつか紹介させていただきたいと思っているのですが、とにかく壮大なスケールで。。。私にはまだ書けません。また改めて。

ちなみにFacebookではジンタラムータのみわぞうさんがクラスの紹介をしてくれています。

ってまさか受講生それだけ?!ってそうなんです!!来学期から増えると良いのですが。木曜の午後にお時間が取れたらぜひ私たちの仲間になってください!!!

東京外国語大学オープンアカデミー(イディッシュ語):

講座一覧 | 公開講座 東京外国語大学 オープンアカデミー 東京都府中市

 

ユダヤ・スペイン語(ラディノ語)の集会

2081年3月14-15日UCLAでラディノ語(ユダヤスペイン語、ジュデズモ) のシンポジウムがあります。ここに行けばラディノ語界の研究活動や文化活動の今の状況がもっとわかります。

 

この会には大学の名前とLadino(ラディノ)をつなげてucLADINOという名前がついています。私も来年行く予定です。詳しくは下記のリンクをご覧ください!

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More information:

ucLADINO | UCLA Alan D. Leve Center for Jewish Studies