ユダヤ人と言語 Jews and Languages

みんな何かでマイノリティ。鴨志田聡子のブログです。All of us are minorities. By Satoko Kamoshida

ことばのこと4 意味を考えてことばを使っているか

今日ある外国のミュージシャンに、彼らがカバーしている曲のタイトルの意味について確認するために問い合わせたら、実はあんまり意味は知らないようだった。

別の人の曲だから、彼らが自分たちでつけたタイトルじゃない。(知らなかったからダメとかいうんじゃなくて)タイトルの意味を知らないで演奏できるなんてすごいなと思った。

それで子どもが言語を身につけるとき中でことを思い出した。最初のうちはあまり意味もわかっていないと思う。自分より大きな子や大人が話しているのを見て「こういうときはこう言うんだな」とか思っているんだと思う。そして、今こそこれをいう瞬間!というのがきたら言ってみるんだと思う。「あじゃ(やだ)」とか「こちゅて(こうして)」とか、最初はかわいいが、だんだんヒョエーー言い返せない!とか、このことばはあのとき私が言ってしまった一言だ、失敗した。とか思うようなことばが飛び出すのだった。子どもは最初のうちは意味もわからずに言っているのだと思う。私は自分が語学を学習するとき、子どものように、まだ意味ははっきりわからないけどその場にフィットしそうだから言ってみるということがある(心の中でこっそりいう時もある)。その言葉がその場面にぴったりフィットする瞬間を何度も経験すると、OK!ナイス!決まった!ということで、それをひとまず身につけるんじゃないかなと思ってる。(ちなみにそぐわない発言をして、周りの空気が凍りつき、かなり険悪になったことが一回ある。かなりトラウマになっているが、おかげさまでその時もよく身についた)

さて、タイトルの意味を知らないで演奏する話に戻ると、これは料理にも似ていると思った。ボルシチ、カレー、スープ、ピロシキ、しゅうまい、餃子、キッシュ、ラーメン、ステーキ・・・この中でいくつ意味がわかるだろう。でも味はなんとなく想像できるので店で注文するし、どれも名前の意味も知らないのに家で作ったことがある。美味しかったし、幸せだった。だからとりあえずはそれでいいと思ってる。今日はカレーにしようとか、餃子が美味しいなと思えることが幸せだと思う。誰かと一緒にあれ/これ美味しいよねーとか話すのが個人的には好きだ。

曲名の意味を知らないで演奏していることがあるんだというのは、音楽を全然演奏しない私にとって驚きだったけれど、意味を知らなくても演奏はいろんな方法で伝わってるんだろう。それでできちゃうプロはすごいと思う。

言語習得や音楽の専門家だったら、もっと違う説明をしてくれるのかもしれない。でもとりあえず私はこんな風に理解してみた。

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「これがオフロか」「ニューヨーク(入浴)」「オフロってあったかいのね」「なんかお湯がびみょうに黒いね」

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「日サロっていいね」、「これは干されてるっていうのよ」、「でも気持ちいいからなんでもいいや」、「ガスパールって日サロいらないよね」