ユダヤ人と言語 Jews and Languages

みんな何かでマイノリティ。鴨志田聡子のブログです。All of us are minorities. By Satoko Kamoshida

ビロビジャンと外大イディッシュ語の学期末

今年度の東京外国語大学でのイディッシュ語の授業が終わりました。毎週水曜日1コマの授業でしたが、起きた時水曜日だといつも嬉しいくらい、本当に楽しかったです。期末テストでは、学生はヘブライ文字筆記体で書いてあるイディッシュ語を読んだり、イディッシュ語をきいたりして、やはりヘブライ文字筆記体で答えを書いていました。最初はほぼ全員がヘブライ文字を全く知らないところからスタートしましたので、3ヶ月でここまで到達したと思うと。。。。外大生さすがです。本当にやった甲斐がありました。

受講した学生の中には、通年にしてほしいと言ってくれた人たちも結構いました。私もそうなると良いのになあと思っています(今はクオーター制の1学期しかないです)。

受講生のみなさん、大学内外(国外も)のいろいろな方に支えられた講座でした。本当にありがとうございました。

授業で使った教材YiddishPOPは大変好評でした。

http://www.yiddishpop.com/

1学期の間、イディッシュ語の学習をきっかけに、ユダヤの文化を垣間見てもらうことができたと思います。伝えきれなかったことばかりですが、みんなが将来いろいろな活動をする中で、イディッシュ語ユダヤに気がつく機会があると嬉しいです(意外といろいろなところで触れていても、ちゃんと学んだ人しか気がつかないことは多いです。他の言語でもそうだと思います)。

イディッシュ語の期末試験の後は、お楽しみ企画として、極東ロシアのユダヤ自治州のロシア語とイディッシュ語の新聞『ビロビジャンの星』を書いているレーナさんと、ビデオ通話しました。彼女が働くお洒落なオフィスをぐるっと見せてもらいました。

『ビロビジャンの星』のウェブサイト:

http://www.gazetaeao.ru/birobidzhaner-shtern/

『ビロビジャンの星』については、外大OBの小熊宏尚さんが現地と日本で取材して書かれた記事があります。ビデオ通話した相手は、この記事に出てくるエレナさん(イディッシュ語で彼女はレーナさんと呼ばれていますので以下レーナさん)という人です。

 

記事はここから読めます:

【伝える 訴える】第45回(ロシア)

f:id:syidish:20190710205648j:image

↑小熊さんが現地取材して持ち帰ってくださった『ビロビジャンの星』と、共同通信から全国に配信された小熊さんの記事【伝える 訴える】第45回(ロシア)

 

小熊さんが実際現地に行かれたことで、レーナさんと私のつながりも強くなったのを感じました。今回ビデオ通話して、小熊さんが卒業された大学の学生にイディッシュ語を教えているよと話したら、レーナさんも喜んでくれました。人と人とのつながりは時間をかけて築いていくものなのだなと確認しました。

 

レーナさんの献身的な活動によって、今もロシア極東部でロシア語とイディッシュ語の新聞が存在すると思うと、情熱をもって頑張る個人の力って本当にすごいなあと思います。彼女を見ていると、やりたいからやっているってことが本当に大事なんだなと感じます。