ユダヤ人と言語 Jews and Languages

みんな何かでマイノリティ。鴨志田聡子のブログです。All of us are minorities. By Satoko Kamoshida

ヨナタンのラップと恋愛の本のこと

期末試験(作って採点する立場も結構大変です)を経て、大学が夏休みになりました。
I translated a children's literature in Hebrew called Anti by Jonathan Yavin (1972-) into Japanese.
ヘブライ語の児童書を訳し、あとがきも書き、出版まであとちょっとです。
向かって左の↓彼が作者です。右は私です。

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Jonathan Yavin and I (August 2018). The photo was taken by Ravit Ben Shalom

It will be published soon in Japanese. This book has no translation other than Japanese yet. I'm so excited!

イスラエル人のラップと恋愛の話で、ものすごくいいお話です。私は訳しているので何度も読んでいるのですが、毎回何箇所かで泣いてしまいます。。。ジーンと泣けるシーンが突然くるので、注意が必要な本です。電車の中や図書館で(校閲用の赤ペン持ちながら)泣いてしまったこともあります。結構あやしかったと思います。

日本語版は編集(編集段階でもたくさん発見があり面白かったです)を経てだいぶ磨かれました。いよいよ本になるんだな!という気分が高まっています。
妊娠して、お腹がまんまるに大きくなって、エコーでも赤ちゃんがはっきりと見えて、「これは出るぞ」と思う臨月に入ったときの感じに似ているなと思っています。
ということで、あとは、お互い顔を見るまで生き抜けるように祈りながら夏を過ごします。

今回訳した本の作者はヨナタン・ヤヴィンといいます。作者とは、本を大体訳し終わった頃、初めて会いました。カフェで本の中のわからないところや、登場人物のことを教えてもらいました。訳してから出版までに何年もかかったので、その間にさらに作者と仲良くなり、家にも2回遊びに行かせてもらいました。最初コーヒーを飲みましたが、それもワインにかわり、彼の家族と一緒にたくさんのことを話しました(よくこんなに話すことあるよな。。。というくらい、私たちはべらべらと喋りますが止まりません)。おかげさまでたくさんのことを学び、友だちも増えました。自分もこの小説の影響でだいぶ変わりました。今回翻訳してよかったなと思いました。

英語で作者のヨナタンを紹介したサイトがあります。
http://www.ithl.org.il/page_16728

本というものは一見地味で、書く作業も読む作業も孤独な気もします。でも、作者、読者、翻訳者、そして登場人物との出会いがあるから面白いです。私はいろいろな本の作者や翻訳家と話す機会があるのですが、その度に本についての理解が深まり感動します。
この児童書が無事に出版されたらまたお知らせします。