ユダヤ人と言語 Jews and Languages

みんな何かでマイノリティ。鴨志田聡子のブログです。All of us are minorities. By Satoko Kamoshida

パリに3か月半住んでみて 中編

パリに住んでよかったなと思う時は、景色が良い時、出会った人が面白い時、勉強と調査が楽しい時です。

何か月も暮らすとなると生活や手続きが大変で、観光気分は消え失せてしまうのですが、ふと街を見ればそこはおパリ。

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フィールドワークの移動中、疲れ果て焦っている私の前にも驚きの景色が現れます。

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ロマンチックな雰囲気の中でゆっくり眺めたいものです。

何よりも私にとってパリ滞在の最高の時は、フィールドワークであったかい気持ちが通じるような気がする時です。

ややぐったりして到着するフィールドワーク先ではいつも新しい出会いと発見があります。

3か月経って、ようやくユダヤスペイン語でもなんとか話せるようになり、コミュニティにも受け入れてもらえるようになり、幸せを味わっています。この前行ったブックイベントでは、「妻から聞いたよ、なんかすごいな!」と言って話しかけてくれた人、「イディッシュ語できるんだってな!ぼくも喋れるんだ!」と言っていろいろ話してくれた人、「これ持っていきなさい!」と残ったおつまみを包んでくれた人がいました。

イディッシュ語の集まりでは先週は真面目そうな人が目を合わせて微笑んでくれて、今日は別の人がイディッシュ語の集まりで「またな!」と肩を叩いてくれました。涙!

研究者同士のつながりも密です。私のユダヤスペイン語の先生たちは、私の研究仲間でもあります。仲間と論文を読んで、話して興奮したり、困ったことを話し合ったり、自分の問題をなんとかことばにしようとしたりします。励ましてもらったり励ましたりしながら、生きています。

そんなお話をする場所が、アパルトマンだったり、カフェだったり、ちょっとした城のような研究室だったりするのでやっぱりパリって素敵だなと思います。

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↑研究室の隣の階段

本当に質素な暮らしですが、豊かさってなんなのか、私自身が求めているものはなんなのかを改めて考えさせられます。

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↑研究室のあるビルの床

続く