ユダヤ人と言語

Satoko Kamoshida's Blog 鴨志田聡子のブログ.

東京外国語大学オープンアカデミー

春夏学期が終わりました。全17回、長い講座ですが、みなさま最後まで頑張られ、かなりイディッシュ語が読めるようになりました。

今回は平日の昼間という時間帯のせいか、イディッシュ語がまだマイナーすぎるのか、なんと3人+1人(わたし)という少人数の贅沢なクラスでした。少人数だと上達も早い気がします。

受講生3人のうち、お2人は去年の夏期集中からイディッシュ語をはじめました(去年の夏期講座終了日はたまたま去年の今日。つまり8月3日でした)。講座がない期間はなんと自習で語学力を維持されていたそうです。春になって再会してもう一度一緒に読んだときは、お2人ともキープどころか上達していて感動的でした。残りのお1人は中国語のエキスパートでありながら、なぜかポーランド語もでき、今学期からはじめたイディッシュ語もかなりできるようになってしまったというすごい方でした。

下の写真はお3方が最後から何回目かのクラスで、ホワイトボードに書かれたものです。音を聞いただけでここまで書かれたように記憶しております。

物語などを読んだときは、日本語でしっくりきそうな訳語を出し合ったり、内容について話し合うこともできるようになりました。イディッシュ語を4人で楽しめるなんてすごいなあと思いました。これも予習復習、やる気のたまもの!

幸せでした。ありがとうございます。また秋にお会いできると良いです!

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一緒に読んでくれたみんなありがとう

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東大でのイディッシュ語の授業が7月に終わりました。イディッシュ語を一緒に読んでくれる人が増えて本当に嬉しかったです。少人数だったので、それぞれの人がどうすごいかがだんだんわかってきました。

成績つけなきゃいけないんですが、素晴らしさは、数字だけじゃ表現できないですね。いろいろ考える機会にもなりました。

せっかくだから続けられるといいなあと言ってくれた人もいました。私もそう思います。

とりあえずは秋から外大のオープンアカデミーでイディッシュ語講座を予定しています。

東大でも貴重な機会をいただき、感謝しています。ありがとうございました!
My Yiddish course at the University of Tokyo was over. Now I have more people who can talk about Yiddish. We read Serele un Berele and it was a lot of fun (at least for me). Some of students (at this university and others) said that they wanted to continue. Me too. (Photo: We had three more students in the class.)

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イディッシュ、まず何をやれば良いのか?

去年の夏からイディッシュ語を勉強している方で、かなりイディッシュ語を読めるようになった方がいらっしゃいます。そのうちのお一方が、イディッシュ語初学者が、まず何をすれば良いか書いてくださっています。

まずは文字です。ヘブライ文字をやらないでイディッシュをやることもできなくはないですが、文字がキモです。途中で行き詰まるので、最初からやってしまった方が良いです。ひらがなとカタカナの50音を覚えて、漢字もたくさん覚えられた方々なら、きっと大丈夫です。22文字程度です。

milestone-milestone.blogspot.jp

 そのあと、すぐに

イディッシュ語|アカデミー講座|東京外国語大学 オープンアカデミー

という講座を受講していただければ、効率が良いと思われます。

もしくは、ご自分でYiddishPOPでどんどん勉強を進めていくことも可能です。

milestone-milestone.blogspot.jp

本当はもっとちゃんとご紹介させていただきたいのですが、取り急ぎサイトの紹介をさせていただきます。この方は、毎回私の授業に来てくださり、復習内容やさらにご自分で調べられたこと、感想などをウェブサイトに書かれています。

MileStone 이선희 팬: 始めの 歩 イディッシュ語の検索結果

MileStone 이선희 팬: イディッシュ語の検索結果

講師として大変感謝するとともに、尊敬しています。受講者の方に支えられて、外大のオープンアカデミーのイディッシュ語も初日からもうすぐ一年が経とうとしています。

4月からの講座は無事終わりそうです。10月から続きの講座があります。もしよろしければ夏期講座をのぞいてみてください。まだ残席があります。

東大と外大でも今イディッシュ語の授業をしているのですが、今学期で終わります。

後期はないですので、今のところ、イディッシュ語講座は、外大のオープンアカデミーのみ開講となります。

関東でイディッシュを勉強する仲間が欲しい、一人だと続かないかも、ちょっとでいいからみてみたい。という方は、まずは外大の夏期集中講座を取られるのが手っ取り早くお得だと思います。

8月いっぱいまでは時間の余裕がないのですが、9月以降は、個人・グループ向けのレッスンもしようかと考えています。ご興味をお持ちの方は、Facebook経由でご相談いただければと思います。

YiddishPOP in Tokyo

 

YiddishPOP at TUFS. I am teaching Yiddish at a few places in Tokyo and TUFS is one of them. TUFS is one of the best universities for foregin studies in Japan. During the semester we used YiddishPOP and it worked very good. Students really loved it.

The Students play with games in YiddishPOP. It was a challenge for me to use it in Japan. But we could do it!! Next class is our final class in this year. Very sad... I really want to make Yiddish annual full year course.
(געלט איז אַ פּראָבלעם זאָגט מע... ייִדיש איז נישט שטאַנדיק אין יאַפּאַן אויך.)
東京外語大の授業も残すところあと一回となりました。たくさん学んだような、もっといろいろやりたかったような、そんな気持ちです。みんなありがとうございました。

I really appreciate Brukhe! She told me how to use it! And thank you very much, team YiddishPOP!!! Please develop it vayter...

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After learning lessons some of the students try to answer some quizes in YiddishPOP.

The other students give him and her advices.

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アキ・エルシャライム(メモと雑感)

エルサレムで37年間続いていたラディノ語雑誌AKI YERUSHALAYIM(アキ・エルシャライム)の紙版がなくなったとのこと。

37歳の私としては、非常に気になる話題です。

イスラエルイディッシュ語新聞(Letste Nayes)がなくなり、雑誌(Lebns Fragn)がデジタルのみになったのも、思い出されて新聞や雑誌が好きな私としてはせつないです。子どもの頃、新聞記者になりたくて、学級新聞作っていた私ですが、そんな私ももう新聞をとってません。我が家が最後にとってた新聞は、イディッシュ語新聞(The Yiddish Daily Forward)でした・・・。

話は戻って、アキ・エルシャライムを作っていた人たちのインタビューAKI YERUYALAYIM, oldest all-Ladino magazine in the world closes after 37 years | eSefarad)。とても興味いです。作っていた人たちに会ってみたいです(でも夏はイスラエルに行けなそうです・・・泣)!

イスラエル政府が活動資金の援助を減らしたことや、読者が購読の契約を更新してくれなかったことなどが、この雑誌を作ってた人たちがもう作るのをやめた理由だという。

でも、活動資金がほとんどなくても、取材と執筆を(ジリ貧またはファンド獲得で)頑張れば、インターネットで続けることはできる(かもしれない)。

ちなみに、ニューヨーク・タイムズはデジタルで読まれている。

(日本の新聞、紙はいらないから、デジタルだけ購読させてもらいたいです・・・)

Top 10 U.S. Newspapers Ranked by Digital Circulation

ラディノ系の人たちは、ツイッターとかフェイスブックでの情報提供はしているようだから、そっちにシフトしたんだろうか。雑誌や新聞を続けて出すのに比べたら、情報があればSNSで流すという方がずっとやりやすいかもしれません。

無くなる理由は書き手と読み手の高齢化とか、ラディノ語で何かを読む人が減ったとか、もともと愛着があった言語より日常的に使っている言語の方がずっと便利だとか・・・。もっと他のところにあるのかもしれません。

そもそも新聞を読むことが減ってるというのは、日本でも同じみたいです:

新聞の発行部数と世帯数の推移|調査データ|日本新聞協会

朝日新聞、4年間で発行部数105万減の衝撃…新聞業界、存亡の危機突入へ | ビジネスジャーナル

それにしても、アキ・エルシャライムが37年続いたのは、すごいと思う。

ラディノ語のラテン文字での正書法を作るのにも、この雑誌が主導したとのこと。この辺はちょっと調べてみたいです。

 

日本に辞書作っている教授がいてその人に『アキ・エルシャライム』を送っていたと書いてあるけど、これは『ユダヤ・スペイン語基礎1500語』を作った上田和夫先生のところだと思います。作るとき、アキ・エルシャライムも参考にしたと書いてあった。上田先生、やっぱりすごいです。

 

キブツが出てくる映画

授業で話題になったので、キブツの話が出てくる映画(今思いつく限り)をメモしました。

ネタバレ防止を理由に、詳しいことは書きません(サボり)。

『甘い泥』(2006)は、かなり重苦しい内容です。家で見てそのまま動けなくなりました。

Adama Meshuga'at (2006) - IMDb

この映画には衝撃を受けました。たくさん書きたいことがあるのですが、また今度にします。映画『甘い泥』で検索すると日本語の映画批評や感想が出てきますので、ご参考までに。

考えさせられるけど、見ている時に気が重くならないのは、安楽死をテーマにした『ハッピーエンドの選び方』(2014)です。これにもキブツが出てきます。

映画『ハッピーエンドの選び方』公式サイト

エヴァ』(2016)にもキブツが出てきます。こちらは、『甘い泥』を思い出させる重苦しい映画でした。ガガーンという感じでした。みた後に隣の人と感想を話せたので、ある程度消化できました。内容が辛かったけど、無事家まで帰れました。助かりました。

第29回東京国際映画祭 | エヴァ

 思い出しただけで辛かったです。自分以外の人の苦しみは、ある程度までは想像できるけれど、それ以上はわからないことを忘れないでおこうと思います。

日本人でキブツに住んでいた翻訳家で著作家の樋口範子さんのサイトはこちら。

樋口範子の本棚

タミ・シェム=トヴの『ぼくたちに翼があったころ』は、樋口さんが翻訳しています。

学び合いという発想2

私は最近授業する側になって、教えると学ぶなあと実感しています。

あるヨガの先生が「(ヨガを)深めるために教えた方がいいよって言われて教え始めた」と言っていました。私も教えて深まっているというのを実感しています。

海外でユダヤ人とイディッシュ語イディッシュ語文学などの授業を受けてて気がついたことがあります。先生は学ぶ「場」を作っているけれど、上から一方方向に教えるという感じではありませんでした。良い授業はみんなが知識を出し合って、一緒に学んでいました。

イディッシュ語の先生には、イディッシュ語母語(生まれた時にお母さんが自分に話したことば。自分が一番最初に聞いて、話していたことば)ではない人も多いです(ヘブライ語の先生も)。逆に生徒の中には、イディッシュ語母語の人がいます。

私は、先生が「(昔)どうだったか」とか「こういうのはなんというのか」と生徒に聞くと、生徒がみんなに向けて説明してくれるという場面を見たことがあります。若手が新しい知識や考え方を披露することもあります。それがまた議論になって、別の人が発言したりしていて、授業な知識を共有する場として、機能していました。お互いがよくわかって、休み時間の話のネタもつきません。

しばしば、いろいろな人が発言して事態の収拾がつかなくなりそうになるのですが、先生たちはそこをなんとか切り上げて、次に進むことができます。授業が終わる頃は、みんな授業中に言いたいこと言ったので、スッキリ!すごい。

ただ、このやり方は、先生の人徳や力量、経験がもろに試されると思います。イディッシュの先生たちは、聴衆に選ばれた学びの場のリーダーなんだなと思います。ということで、聞く側はリーダーの育成をしているわけで、誰を育成するかっていうのが選ばれているのかもしれないです。