ユダヤ人と言語 Jews and Languages

みんな何かでマイノリティ。鴨志田聡子のブログです。All of us are minorities. By Satoko Kamoshida

カケハシ(ユダヤ研究者派遣)2019ニュースレター

2019年3月にアメリカ西海岸のユダヤ人コミュニティを訪問し、派遣者でニュースレターを作成しました。下のリンクからどうぞ。

The newsletter on Kakehashi Project (LA and San Francisco), 17-23 March 2019:

On the way of...: Newsletter: KAKEHASHI Project 2019, Visiting Program to Los Angeles and San Francisco by Japanese Researchers of Jewish Studies

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私はイスタンブルにいます。

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車が禁止の島らしいのですが、馬車がたくさん走っていて、ひかれそうです。。。

バイクみたいなもたくさん走ってます。

ラディノ語(ユダヤスペイン語)話者に会いました。次はこのことばを話せるようになりたいです。

 

テッサロニキ(ギリシャ)にいます

I’m in Thessaloniki.ギリシャ神話の世界ともいえますが、ユーロが使えます。

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テッサロニキに来ています。イディッシュ語ヘブライ語、ラディノ語が私をここまで連れてきてくれました。と言っても自分で計画した調査です(ドキドキでした)。でも世界のいろいろなところで現地の方々にいろいろな形で受け入れいただき、話題がいろいろとあるのは、これまでユダヤの言語を勉強してきたおかげだな。と思います。感慨深いです。続けてよかったです。

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今年2月に研究発表でUCLAに行ったときにセファルディの人から「サロニカ(テッサロニキ)に行くように」と教えていただいたのでした。重要なところなのに、それまで自分が行くという発想に至っていませんでした。考えてみて、トルコから近いし、行くっきゃないなと思って来たのでした。

エーゲ海が見えて丘もあって、人も優しくて、本当に素敵なところです。ここにいるうちに文字を覚えられるといいです。とりあえず今の段階ではエヴェレストだけが飛び込んできます。

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でもみていると本当にきれいな文字です。どの文字も素敵ですが、この文字もそうでした。ふと文字ってすごいな、わたしは文字が好きだなと思いました。

数学で習った文字の一部はギリシャ文字だったしキリル文字ラテン文字(そしてヘブライ文字)とも似てると思うと、ギリシャ語も文字だけならなんとかなるかなと期待してます。

そういえば。と、やや宣伝になってしまうのですが、ギリシャ語には大文字と小文字があります。ヘブライ文字(イディッシュ語ヘブライ語など)の方が結局文字数が少ないです。筆記体も、半日自習+自主トレ1週間くらいでなんとかなりますのでもしよろしければやってみてください。

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↑ちょっとテルアビブっぽい通り。

まったりしている人が多くてとっても素敵です。いつも東京でせかせかしちゃってるのが、なんだかもったいない気がします。

通りからちらっと海も見えたりしてやはり海沿いって素敵だなと思います。坂もあるのでサンフランシスコ思い出します(SFの方が全然急な坂ですが)。

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↓不思議なミッキー。マスコットって読めます。

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コンタクトレンズ。猫目もあり、クレイジー。こういうのつけて知らないふりして授業したらみんな驚きそう。

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↓ゴミ収集車に書かれたメッセージ、胸にぐさっときました。気になります。

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満席御礼 知求アカデミー

7月24日(水)午後1時~2時30分、ワールド航空サービスで「イスラエル社会とユダヤ人の「今」を知る」という講演をしました。

 

写真見るとまた行きたくなってしまいます。

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これまでイスラエルに行くとなると、アジアやヨーロッパで乗り継ぎしてました。私なんか安い便で行くこともあって1日かかっていまた。直行便に乗れるほど、余裕もないので個人的にはまた1日かけて旅行することになりそうですが、ビジネスや旅行の方にとっては(私もですが)、もっと気軽に行けたほうが良いですよね。

何年もイスラエル人から「もう直ぐ直行便が飛ぶようになる」と聞いていたのですが、これまでイスラエルと日本を結ぶ直行便はありませんでした。

でもついに、イスラエル行きの直行便(チャーター)が飛ぶとのこと。

イスラエルへの直行便が初就航 成田から週に往復3便:朝日新聞デジタル

これを機にご旅行される方がいらっしゃるらしく、出発直前の方々や今度のご旅行先としてご興味をお持ちの方に向けて、現地の言語、文化、人、気候、地理などをテーマにしたお話にしました。

場所も有楽町なので便利でした。私もまたお話しする機会があれば行きたいなと思っています。

イスラエルとその周辺を周遊するツアーは3種類ありますが人気らしく、第1回目の募集はすぐ満席になってしまったそうです。第2回目もあるようですよ。

 

ちなみに知求アカデミーには他の講演もあります。知っている先生方のお名前をちらほら見けました。興味深いです。

知求アカデミー講座 | ワールド航空サービス

 

お問い合わせはこちらにお願いします。

知求アカデミー事務局 東京会場 TEL : 03-3501-4111(平日のみ:午前9時30分~午後6時00分)

ツアー紹介 | ワールド航空サービス

『エルサレムの悲哀』のこと

ヘブライ語の翻訳者として長年アモス・オズという作家の作品を日本語に翻訳してきた村田靖子氏が、去年の夏『エルサレムの悲哀』(木犀社 2018)という一冊の小説を発表されました。私にとってはあまりに唐突なことに感じられ、本文を半分くらい読むまではかなり驚き、戸惑いました。

本書は9つの短編から構成されています。ネタバレになるので、内容について語るのは控えますが、「エルサレム、まさかだけど、あるある、もしくは、あるだろうな」が結構あって楽しめます。とはいえ内容は、重いものです。

一話はそれほど長くなく、文章もかなり読みやすいです。ただエルサレムのマイノリティについての知識がなかったり、想像できない場合はなかなか難解に感じるかも知れません。とはいえ知らない場合は、ずいぶん勉強になるのではと思います。本文にはかなり親切な解説が織り交ぜてありますので、読み進めやすいです。それと、本の装丁のおかげで、読みながらエルサレムの乾燥した空気や砂っぽさを感じられて嬉しかったです。

正直言って英語で出版されたほうが、共感してくれる読者に届きやすかったのではないかとも思いました。けれども小説の内容を踏まえ、村田氏と議論をして、日本語でエルサレムに住む人々の日常を綴ることはご本人にとって大事なプロセスで、我々がこれから受ける恩恵も大きいだろうなと感じました。

ちなみに、村田氏によれば本書の英訳の要請もやはりあるそうです。全訳されるといいですが、とりあえず9つのうちのひとつ「約束」は ”The Promise” として英訳されています。

英訳はこちら
The Promise - The Pythians

ちなみに村田氏が長年訳してきたアモス・オズは2018年の12月に亡くなりました。本書『エルサレムの悲哀』出版から5ヶ月後のことでした。一つの時代を感じました。

ヨナタンのラップと恋愛の本のこと

期末試験(作って採点する立場も結構大変です)を経て、大学が夏休みになりました。
I translated a children's literature in Hebrew called Anti by Jonathan Yavin (1972-) into Japanese.
ヘブライ語の児童書を訳し、あとがきも書き、出版まであとちょっとです。
向かって左の↓彼が作者です。右は私です。

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Jonathan Yavin and I (August 2018). The photo was taken by Ravit Ben Shalom

It will be published soon in Japanese. This book has no translation other than Japanese yet. I'm so excited!

イスラエル人のラップと恋愛の話で、ものすごくいいお話です。私は訳しているので何度も読んでいるのですが、毎回何箇所かで泣いてしまいます。。。ジーンと泣けるシーンが突然くるので、注意が必要な本です。電車の中や図書館で(校閲用の赤ペン持ちながら)泣いてしまったこともあります。結構あやしかったと思います。

日本語版は編集(編集段階でもたくさん発見があり面白かったです)を経てだいぶ磨かれました。いよいよ本になるんだな!という気分が高まっています。
妊娠して、お腹がまんまるに大きくなって、エコーでも赤ちゃんがはっきりと見えて、「これは出るぞ」と思う臨月に入ったときの感じに似ているなと思っています。
ということで、あとは、お互い顔を見るまで生き抜けるように祈りながら夏を過ごします。

今回訳した本の作者はヨナタン・ヤヴィンといいます。作者とは、本を大体訳し終わった頃、初めて会いました。カフェで本の中のわからないところや、登場人物のことを教えてもらいました。訳してから出版までに何年もかかったので、その間にさらに作者と仲良くなり、家にも2回遊びに行かせてもらいました。最初コーヒーを飲みましたが、それもワインにかわり、彼の家族と一緒にたくさんのことを話しました(よくこんなに話すことあるよな。。。というくらい、私たちはべらべらと喋りますが止まりません)。おかげさまでたくさんのことを学び、友だちも増えました。自分もこの小説の影響でだいぶ変わりました。今回翻訳してよかったなと思いました。

英語で作者のヨナタンを紹介したサイトがあります。
http://www.ithl.org.il/page_16728

本というものは一見地味で、書く作業も読む作業も孤独な気もします。でも、作者、読者、翻訳者、そして登場人物との出会いがあるから面白いです。私はいろいろな本の作者や翻訳家と話す機会があるのですが、その度に本についての理解が深まり感動します。
この児童書が無事に出版されたらまたお知らせします。

ビロビジャンと外大イディッシュ語の学期末

今年度の東京外国語大学でのイディッシュ語の授業が終わりました。毎週水曜日1コマの授業でしたが、起きた時水曜日だといつも嬉しいくらい、本当に楽しかったです。期末テストでは、学生はヘブライ文字筆記体で書いてあるイディッシュ語を読んだり、イディッシュ語をきいたりして、やはりヘブライ文字筆記体で答えを書いていました。最初はほぼ全員がヘブライ文字を全く知らないところからスタートしましたので、3ヶ月でここまで到達したと思うと。。。。外大生さすがです。本当にやった甲斐がありました。

受講した学生の中には、通年にしてほしいと言ってくれた人たちも結構いました。私もそうなると良いのになあと思っています(今はクオーター制の1学期しかないです)。

受講生のみなさん、大学内外(国外も)のいろいろな方に支えられた講座でした。本当にありがとうございました。

授業で使った教材YiddishPOPは大変好評でした。

http://www.yiddishpop.com/

1学期の間、イディッシュ語の学習をきっかけに、ユダヤの文化を垣間見てもらうことができたと思います。伝えきれなかったことばかりですが、みんなが将来いろいろな活動をする中で、イディッシュ語ユダヤに気がつく機会があると嬉しいです(意外といろいろなところで触れていても、ちゃんと学んだ人しか気がつかないことは多いです。他の言語でもそうだと思います)。

イディッシュ語の期末試験の後は、お楽しみ企画として、極東ロシアのユダヤ自治州のロシア語とイディッシュ語の新聞『ビロビジャンの星』を書いているレーナさんと、ビデオ通話しました。彼女が働くお洒落なオフィスをぐるっと見せてもらいました。

『ビロビジャンの星』のウェブサイト:

http://www.gazetaeao.ru/birobidzhaner-shtern/

『ビロビジャンの星』については、外大OBの小熊宏尚さんが現地と日本で取材して書かれた記事があります。ビデオ通話した相手は、この記事に出てくるエレナさん(イディッシュ語で彼女はレーナさんと呼ばれていますので以下レーナさん)という人です。

 

記事はここから読めます:

【伝える 訴える】第45回(ロシア)

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↑小熊さんが現地取材して持ち帰ってくださった『ビロビジャンの星』と、共同通信から全国に配信された小熊さんの記事【伝える 訴える】第45回(ロシア)

 

小熊さんが実際現地に行かれたことで、レーナさんと私のつながりも強くなったのを感じました。今回ビデオ通話して、小熊さんが卒業された大学の学生にイディッシュ語を教えているよと話したら、レーナさんも喜んでくれました。人と人とのつながりは時間をかけて築いていくものなのだなと確認しました。

 

レーナさんの献身的な活動によって、今もロシア極東部でロシア語とイディッシュ語の新聞が存在すると思うと、情熱をもって頑張る個人の力って本当にすごいなあと思います。彼女を見ていると、やりたいからやっているってことが本当に大事なんだなと感じます。

7/1かわさき市民アカデミー

武蔵小杉のかわさき市民アカデミーのユダヤ人、ユダヤ教イスラエル(第1部)というリレー講義で『屋根の上のバイオリン弾き』とイディッシュ語の文学をテーマにお話ししました。このテーマは人気があり、ここ数年で何回か話しています。

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その都度準備を通していろいろ学ぶことがあり、いつもだいぶ違う内容になります。当日もレクチャー中にいろいろ発見できて深いなと思います。皆さま本当に優しくて、私も本当に楽しく、思う存分講義させていただきました。

私がこのテーマを担当するのも何かのご縁なのかなと感謝しています。

ご来場いただいたのにご挨拶できなかった方もいらっしゃいましたが、後で会場の写真でお顔を拝見して嬉しかったです。この場を借りてご挨拶申し上げます。

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この講座の受講者の方々は、4月からいろいろな先生の講義を受けてかなりユダヤにお詳しくなっていると思います。すごいと思います。

Humans of TUFSにインタビューが掲載されました

東京外国語大学のHumans of TUFSにインタビューがフェイスブックに掲載されています。
インタビューより一部抜粋:

孤独で、心が引き裂かれそうでした。こんな思いするならもうやめようと思ったこともあり(続く)

続きはこちらから:
www.facebook.com
Photo taken by Humans of TUFS↓

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Humans of TUFSより
My interview in Facebook please check it.
www.facebook.com

イディッシュ語を勉強しはじめたときのこと1

インタビューを受けたのをきっかけに、いろいろ思い出したことがありました。ここにイディッシュ語学習活動を参与観察しはじめたときのことを記しておくことにしました。
私は田中克彦先生に「君、イディッシュやれよ」とすすめられたのをきっかけにイディッシュ語を勉強しはじめました。とはいえ、一人で勉強するしかなかったので、次のような方法を取りました。

まず、2003年のはじめに教科書を買いました。
言語学者ウリエル・ヴァインライヒ(英語読み:ワインライク)によって書かれたイディッシュ語の教科書カレッジ・イディッシュ(College Yiddish)です。

(この教科書がすごかったので、イディッシュ語のことをもっと知りたくなりました。最初の一冊は肝心なのかもしれないです)
www.amazon.com

これは主に米国のイディッシュ語話者の子孫に向けに、英語とイディッシュ語で書かれた教科書です。ヘブライ文字を覚えるとドイツ語の知識で文字さえ覚えればある程度読めてかなりの高揚感を味わいました。けれども読み進めるうちに、わからない単語の意味はすべて調べ、文の構造も理解しているはずなのに短い文章すら理解できませんでした(自分でも知っているようなこと、想像できることは読んで理解できました)。「なんでだろう」と不思議な感覚を味わいました。でもとにかく、この教科書には、ヴァインライヒイディッシュ語への愛がほとばしっていました。愛・・・。言語学習で愛を感じるなんて。

(後から気がついたことですが、理解できなかったのは、その文章が書かれた「文脈」(本来「背景」と呼ぶ方がふさわしいけれども、ここでは「イディッシュ語自体の」という意味を込めて「文脈」と呼ぶことにします)を知らなかったからだと思います。)

どうしよう。と一瞬悩んだんですが、とりあえずインターネットで、"Yiddish Summer Course"などと検索してみました。すぐにニューヨークとリトアニアイディッシュ語夏期講座があることを知りました。ニューヨークはものすごく高額で当時の私には払えなかったので、リトアニアに行くことにしました。誰か友達ができればなんとかなるかもしれない、イディッシュ語をきいてみたいと思って。

イディッシュ語を一緒に勉強する仲間を求め、2003年にリトアニアの首都ヴィリニュスで行われたイディッシュ語夏期集中講座に参加しました。この講座ではじめての日本人参加者だったと思います。完全に日本語無しで一ヶ月過ごすのははじめての体験でした(とはいえ、インターネットは繋がりましたし、途中、イディッシュ語夏期講座に杉原千畝記念館訪問ツアーが組み込まれていて、そこで日本語を目にしました。あと、日本人旅行者が途中で来て、一緒に散歩しました)。

私はイディッシュ語話者の子孫ではない非ユダヤ人として、彼らと一緒にイディッシュ語講座を受講してイディッシュ語を学びはじめました。すると、一般的な海外の語学講座にありがちな、いろいろな国からいろいろな言語を母語とする人たちが参加しているというパターンとは違って、いろいろな国からイディッシュ語を「マメ・ロシュン」とする東欧系ユダヤ人が集まっているということがわかりました。「マメ・ロシュン(mame-loshn)」とは「母語」を意味しますが、イディッシュ語話者やその子孫は、たとえイディッシュ語が彼らの母語ではなかったとしても、イディッシュ語への愛着を示し、こう呼びます。ちなみに一般的な母語を示す単語は、mutershprakhです。
続く。

今日のホワイトボードより

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My Yiddish class at TUFS (Yiddish POP 1.5)

担当している東京外国語大学イディッシュ語のクラスでは、毎年グループ発表を課題にしています。

今日のグループ発表は、フランスのユダヤ人と、ラディノ語についてでした。学生が割と各々の専攻に近いテーマで発表してくれます。その言語や地域を学んでいる人から見るとそう見えるのかと、私も勉強になりました。外大にイディッシュ語の授業を新設してもらってから今年で4年目。本当にありがたいです。

イディッシュ語はまだ1クオーターしかなくて(週1回で年間にたった3ヶ月間しかない授業なので)、残すところあと数回となってしまいました。寂しいけど、とりあえず無事終わるように前進するのみです。

申込み期間6月末まで ユダヤを理解する夏期集中講座

東京外国語大学オープンアカデミーにて、夏期集中講座 (本郷サテライト 2019年08月27日~08月29日) をします。

今回は下記の通りふたつの教養講座をします。

(1) イディッシュ語ユダヤ人の世界

こちらの講座は申し込み人数が開講最低人数(12人)に達しなかったため、東京外国語大学オープンアカデミーの決まりにより、開講されないことになりました。すでにお申し込みくださった方々もいらっしゃるのに残念です。お申し込みくださった皆さま、またお会いできる機会を楽しみにしています。

著者と読む博士論文:イディッシュ語とユダヤ人の世界【開講中止】 | 鴨志田 聡子 | 公開講座 東京外国語大学 オープンアカデミー 東京都府中市

イディッシュ語話者の話を参考にしながら、今の自分がどんな時代を生きているのかとこれからの生き方を考えてみませんか。私はイスラエル人のイディッシュ語学習活動を調査して、それが彼らのアイデンティティの再構築の作業であり、癒しのプロセスであると考えました。第二次世界大戦後、私たちは同じ時を生きてきました。

ということで、とても親近感をもてる、考えさせられる内容です。この講座では、私がイスラエルイディッシュ語話者やその子孫と一緒に学んだ際に、見たことや聞いたことをお話しします。

こちらの本↓を使います。難しくないです。

www.kinokuniya.co.jp

イディッシュ語の世界を知ることで、ご自身についても新たな発見があると思います。普段の生活の中で言語と人の関係を意識することは大変重要です。そうすることで、日々の暮らしの中での驚きや感動も増えると思います。一緒に深めましょう。

写真はエルサレムの景色です。

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私はまさに、ここに1年半住んでいました。ここで、イディッシュ語話者とその子孫たちとイディッシュ語を学びました。フィールドワークで衝撃的な事実を知り、旧市街を眺めながらひとりで泣いてたこともありました。

この講座では「みんな誰でもマイノリティ」をテーマに、ユダヤ人の言語学習活動についてお話します。一見マジョリティとして生きている人も、きっと何かでマイノリティです。

tufsoa.jp

私は今でもユダヤの人たちとインターネットでイディッシュ語の小説を読んでいます。そのことについてもお話ししようと思っています。

 

(2) ユダヤの現在がわかる

ユダヤ教の現在がわかる:宗教と言語の視点から | 鴨志田 聡子 | 公開講座 東京外国語大学 オープンアカデミー 東京都府中市

現代ユダヤを知るために、この講座でユダヤの宗教と言語について学びます。私は彼らの言語や考え方を知る上で、ユダヤ教の知識は不可欠だと知りました。今回こういった講座でユダヤについての知識を深めていただければと思っています。

tufsoa.jp

西洋中世学会第11回大会のお知らせ

西洋中世学会第11回大会が、6月22日(土)と23日(日)に大阪市立大学(杉本キャンパス)で開催されるそうです。
今回はユダヤがテーマのようです。
羊皮紙をさわったりもできるようですよ。

詳しくは大会ウェブサイトへ:
第11回大会(6月22/23日、大阪市立大学、杉本キャンパス)のお知らせ

京都ユダヤ思想学会

京都ユダヤ思想学会の2019年度第12回学術大会があるそうです。

日時: 2019年6月29日(土)
会場: 同志社大学(烏丸キャンパス)志高館SK118教室

詳しくはウェブサイトをご覧ください。

京都ユダヤ思想学会 - Kyoto Association of Jewish Thought

バイオリニストのパールマン

飛行機に乗っている時に、いろんなビデオの中にItzhakというタイトルを見つけてハッとして思わずみたら、パールマンのビデオでした。バイオリンやユダヤに興味がある方はぜひ。

Itzhak (2017) - IMDb

パールマンはテルアビブ生まれのバイオリ二ストです。子どもの頃からバイオリンが超上手だったようで、アメリカに音楽留学して、今でもアメリカに住んでいます。ヘブライ語も話します。音楽がイディッシュっぽくてワクワクします。

私はこのItzhakというビデオをみて、彼の奥さんも魅力的な方だなあと思いました。彼とイスラエルの距離感もなんとなくわかって、面白いビデオでした。

さらに、このビデオに出てくるバイオリン屋さんもすごく素敵な人で、いつかお会いしたいなと思っていました。その矢先、彼の友人が偶然別件で訪日し、知り合いました。おかげさまでバイオリン屋さんともメールでやりとりできました。イディッシュ語をやっていると、世界は狭いな、面白いなと思うのでした。

ちなみに私はこのビデオを2月にカリフォルニアに行ったときに見ました。UCLAのラディノ語(ユダヤスペイン語)の国際シンポジウムで発表した帰りでした。ラディノの会に行って、パールマンのビデオをみて、なんとも贅沢な数日間だったなあと思ったのでした(イディッシュやって本当に良かったなとしみじみ思いました)。

ユダヤはマイナーなように見えて、いろいろなところで接する機会があります。それにビビッとくると、人生が豊かになると思います。はじめて英語が読めたときのように、急にいろんな興味深い文化や考え方に気がつけるようになって、世界中でいろいろな発見があるはずです。

6/1 横浜 朝日カルチャー「イディッシュ語とユダヤ」

6月1日に、横浜駅にある朝日カルチャーセンターにて「イディッシュ語ユダヤ」と題してお話ししました。私の講座のためにわざわざ遠くから来てくださった方もいらして、驚きました。とにかく無事に終わってホッとしました。

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一般の方向けにイディッシュ語ユダヤについてわかりやすく解説します。ユダヤや言語についての知識はなくても大丈夫です。是非お越しください。

イディッシュ語とユダヤ | 横浜教室 | 朝日カルチャーセンター

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サンフランシスコ中心部にあるシナゴーグのステンドグラス

 

イディッシュ語ユダヤ

横浜教室 | 朝日カルチャーセンター

6月1日(土)13:00-14:30

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春の講座 お申し込み受付中! | 横浜教室 | 朝日カルチャーセンター

朝日カルチャーセンターの講座は1回ポッキリの授業です。イディッシュ語について知ることで、意外にもかなり世界がひらけます。あなどれないマイナー言語!!

今回はユダヤ人(とその言語)の「生き抜く力」をテーマに授業を展開します。

どこの国の「国語」にもならなかったイディッシュ語がどうやって千年も受け継がれてきたのでしょうか。マイノリティー言語の魅力に迫ります!とはいえ、全然難しい話ではないので、どうぞお気軽にお出かけください。

最近私は、セファルディー系ユダヤ人のことばであるラディノ語(ジュデズモ、ユダヤスペイン語とも呼びます)の研究をはじめました。イディッシュ語との相違点を発見して驚きと感動の連続です。

いろんなユダヤの言語に目を向けることで、イディッシュ語についての理解をさらに深められている気がしています。

はじめたころは難航したラディノ語の調査でしたが今はうまく進みはじめました。もうちょっとするとまた次の壁が見えてくると思いますがその時は自分が成長して次の段階が見えた状態にあるということでしょう(涙)。。。。

今回の講座では、ラディノ語のこともちょっとお話ししようと思っています。

それにしてもイディッシュ語のサバイバル術はすごいと思います。ものすごい勢いで世の中が変わっている今こそ、私は変化を生き抜いてきたユダヤ人に学びたいと考えています。

春の講座 お申し込み受付中! | 横浜教室 | 朝日カルチャーセンター