国立障害者リハビリテーションセンター手話通訳学科に丸山さんをお呼びする段になって改めて知ったのですが、丸山さんは早稲田大学第一文学部卒で、私は後輩にあたります。残念ながら在学年は重なっていないのですが。
レクチャーに先立って事前ミーティングした時は、やや煙漂う新宿のカフェでコーヒーをおごってもらってしまいました。店と丸山さんから漂うなんだか早稲田の雰囲気がとても懐かしかったです。
早稲田の一文(今はなき、第一文学部の通称)には、私が在学していた1998年から2002年も作家になりたい人がたくさんいて、私も人には言えなかったけどその一人でした。でも小説を書くのを仕事にするなんて誰にもできるもんじゃないですよね。丸山さんはちゃんと作家になってらしてすごいなあ、こういう方もいらっしゃるんだなと思いました。
丸山さんは、シナリオライターの仕事は20代・30代からされていたようなのですが、本格的に小説を書き始めたのはなんと40歳!とのこと。「小説(書く)しかないっ!」と本格執筆をはじめたそうです。小説家ってかっこいいですが、小説書いても生活は安泰じゃないと思います(ある売れっ子作家の人も「けっこう厳しい」っておっしゃってました)。
ではなぜ「小説しかないっ!」って思ったんでしょうか。質問してみました。すると、丸山さんは奥様の介護をしながら、普通に勤めることはできないし、それまでやってきた在宅ライターを続けてもそんなにお金にならないし、仕事のための打ち合わせにも出かけられない。
「地味にやっててもこの生活を抜け出せない!」、「一発当てたい!」という思いのもと、小説を書き始めたとのこと。
とはいえ、いきなり小説家になったわけではなく、もともと丸山さんは子どもの頃から本好きで、漫画も描いていました。早稲田では演劇科でした。大学時代のご経験もあって、大学卒業後は広報ビデオなどのシナリオライターをしていたそうです(ちなみにこの時期は、日本のバブルと重なってて、結構いい仕事だったみたいです。でもそんな予算もバブルとともに消え去ったみたいです。パチーン!)。
生活を通して、家族のこととか、いろいろしゃべりたいことが溜まっていて・・・、そんなもやもやが小説のストーリーに反映されているみたいです。
確かに実感こもっていそうなところ多々ありますね。こういうの想像じゃかけないようなっていう、なんか人生のギリギリのこととか、もやもや・・・。
経験って、力になるんですね(涙)がんばろ!
ちなみに丸山さんは小説家としてデビューしてから8年経ってるみたいで、今57歳です。
ええーっ、↓若っ!
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