ユダヤ人と言語 Jews and Languages

みんな何かでマイノリティ。鴨志田聡子のブログです。All of us are minorities. By Satoko Kamoshida

『シュティッセル家の人々』Shtisel

イスラエルのテレビ・ドラマ『シュティッセル家の人々』Shtisel
Netflixで日本語字幕付き(邦題『シュティッセル家の人々』)でみられます。面白いです。イディッシュ語ヘブライ語を聞けます。街の様子も見られます。
www.imdb.com

舞台はとても宗教的な人たちが住む地域とその周辺。
宗教的な人たちの人たちの中でも、リトヴァク(Litvak)と呼ばれるたちが住んでいます。
そこに住んでいるシュティッセル(名字)という家族がでてきます。主役のアキバ・シュティッセルは、もう結婚していても良い年頃の男子です。周りから早く結婚するように言われ、ちょっと困っています。ちょっと頼りない感じの彼ですが、絵を描くのが上手という設定です。教師や絵かきとして働きます。

彼やその家族がお見合いしたり、恋愛したり、を追いかけたりして、家族や社会と個人の間で揺れます。そのたびに家族も揺れます。

家族愛とか、人間臭さとか、登場人物の演技が上達するところとか、とにかく心に残る作品です。

ずっと見ていると、シュレム(アキバの父)はとても味があるし、アキバも頑張るし、リッペ(アキバの姉の夫)は実はとっても優しいし、ルハミ(リッペの娘。Unorthodoxエスティ。シーラ・ハス(Shira Haas))はずっとドキドキさせてくれるし、イディッシュ語を話すヌーヘム(Sasson Gabaiというイラク生まれの大物俳優)は味があるし・・・、その他の登場人物も味があって面白いです。

個人的にはイディッシュ語ヘブライ語コードスイッチングが面白かったです。

コードスイッチングとは、相手や場所、話題によって言語を変えることです。

このドラマでは、主にシューレムやヌーヘムの世代以上の人が、イディッシュ語を流暢に話します(もちろんヘブライ語も流暢に話します)。
他の人たちもイディッシュ語を聞いて結構理解しているのが分かります。
コードスイッチングは本当に面白いし、まだうまく説明できないけれど、とっても素敵なことだと思います。イスラエルでは、日本に比べてとても起こります。イディッシュ語ヘブライ語に限らず、ロシア語、英語、スペイン語などでもよくみられます。

『シュティッセル家の人々』は、イスラエルユダヤとあまり縁がない方にとっては最初は入り込みにくいかも知れませんが、とりあえず3話くらいまで見ていただければ、続きも楽しめると思います。

シーズン2までありますので、毎日2本くらい見ても、結構長い間楽しめます。私はこの前全部これまで出ているのは見終わりました。一緒に見ていた家族と喪失感を覚えました。

海外のイディッシュ語関係者の間で、Unorthodoxと並んで話題になっています。遠くにいても同じドラマを見ているって嬉しいなと思いました。

ドラマや映画、本をきっかけに、私たちが今までよりお互いのことを知り、理解することができると良いなと思っています。

イディッシュ語映画 Unorthodox - ユダヤ人と言語 Jews and Languages