ユダヤ人と言語 Jews and Languages

みんな何かでマイノリティ。鴨志田聡子のブログです。All of us are minorities. By Satoko Kamoshida

家電と研究者の集会

昨日あると便利そうだけど買わなくていいやと買うのをこらえていた家電。素晴らしい幸運に恵まれ、いろいろいただくことになりました。

早速使ってみると、とても便利でした。文明の利器!寒い廊下を通って寒い共同キッチンと部屋の間を往復しなくても朝食ができました。涙が出そうでした。恩人への感謝しかありません。

一瞬私は家にある家電たちのこと、それを嬉しそうに使う夫のこと思い出しました。ああ、私はなんて恵まれていたのだろうか。私よりも夫と仲良さそうな上に、機能が多すぎるお料理家電たちを使いこなせず、イラついた日もあったのに、今では素晴らしい家電だちの良いところしか思い出せません。

サバイバルみたいになってしまっているパリの毎日。自分が何をしているのかもう一度考えました。私にはやることがあるっ!と美しくなった過去へのおもいをふりきりました。

今日は祝日で大学はお休みでした。海外の研究者がふらんすにいるので、研究者たちの私的な交流会が企画されました。私もよんでもらえました。会場に指定されていたカフェで予約されていた部屋に行くと、ユダヤスペイン語研の仲間がいました。7月にスペインで会った人や、パンデミック中にオンラインで会った人もいました。ここ数年の自分の研究活動のことを少し思い出しました。自分が奮闘する姿をいろんな人が見てくれていたんだなと思いました。

私たちはコーヒーやお茶を飲みながら自己紹介して、現状や今後のことについていろいろと喋りました。こういう密な会って大事だし面白いなと思いました。それにしてもみんな結構ドレスアップしていたので私もそうしたかったです。いつも通りのもっさりした姿で登場してしまったことに少し後悔しました。

フランスでもユダヤの言語の研究、特にユダヤスペイン語言語学はマイノリティのマイノリティだそうです。もちろん日本よりずっとコンディションは良いと思います。それでも世界的に見て重要な研究がなされているパリで、そういう認識が長いことあることはこっちに来て初めて知りました。

やる気に溢れた優秀な研究者がいて、潜在的な研究者もいるのに。予算などの都合で、研究に専念しにくい状況ができてしまっていること、いばらのみちでも歩かないと道ができないことは、フランスでも同じなのですね。マイナー言語の研究は、認知度が低く、軽く見られてしまうのが問題なようです。「メジャーなほどに大事だ」という一般的な認識とのたたかいですね。

今日はみんなに会えて楽しかったです。初めての場所にも行けたし、ミーティングの二次会で美味しいものを食べることができました。デザートを食べた時、良い研究テーマを選んだな、今パリにいんだなと思いました。