近所にある野菜の直売所でボランティアをしています。今朝もマスクをしながら販売。販売自体はとても楽しいのですが、暑くて暑くていつもの声や笑顔が出ません。
直売所の奥の涼しいところにかかっていた温度計も37.5度でした。
突然直売所の前に自転車が現れ、キュッと止まったかと思うと、乗っていた人が野菜の名前だけを言いました。
私は「100円です」と言いました。
お客さんは、100円置いて、逃げるように走り去りました。
ありがとうございますと言って、彼女の背中を見ながら100円をしまいました。なんとも言えない虚しい気持ちになりました。
結構高齢だったし、暑すぎて大変だったんだろうと思うことにしました。
普段雑談してから帰るお客さんも、一瞬で帰ってしまいました。こちらも会話が弾んだら倒れそうです。
この暑さでは。
こんなに暑いのによくやっていられますね。と言ってきたお客さんもいました。
こちらはほとんど放心状態で、会話にならなかったけれど、割と私も、立っているのがやっとです。
立派な白ナス、なぜかなかなか売れません。
絶対買ったほうが良いのに。
私の一番のおすすめなのに。
一方で、端っこに重ねてあるきゅうりは、
いつもよく売れます。
何もすすめなくても売れるものがあり、
すすめても売れないものがある。
いくら良いものでも、みんながその価値に気づくまでは、
しばらく時間がかかるのだろうと思うことにしました。
地獄のような暑さの中でも、ぴかぴかひかる野菜たちがまぶしかったです。
照りつける太陽、灼熱地獄。
今私はエルサレムにいる、テルアヴィヴにいると自分に言い聞かせて、なんとか夏を乗り切ろうと思っています。エジプトやイスラエルでフィールドワークしたときに着ていた服を着て、自分は「現地」にいると信じ込もうとしています。
天国のような日陰で畑の皆さんとお茶をしました。
夢のような時間でした。
家に帰って、夫が茹でてくれたそうめんと、畑の野菜を食べました。
とても元気になりました。
野菜の値段だけ言って100円置いて去った人の話をしたら、家族が「その人はいつもSiriを使っているんじゃないか」と言いました。なるほど。
みなさんもどうかご無事で。