ユダヤ人と言語 Jews and Languages

みんな何かでマイノリティ。鴨志田聡子のブログです。All of us are minorities. By Satoko Kamoshida

テレワークと音楽

いろいろなことが徐々に再開し、もう一度変化が求められます。個人的なレベルでも惰性でただの逆戻りになることはなるべく減らしたい私です。励まし合いながらいきましょう。

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さてやるかと思ってとりあえず机に向かって、作業用BGMを見つけようと「テレワーク 音楽」と検索したら、新日本フィルのパプリカとか、高嶋ちさ子さんの動画とか、テレワークで作った動画が出てきました。そのままクリックしてみたんですが、すごく良かったです。
いつもは「勉強 音楽」とかで検索するんですけど、検索ワード変えると良いことありますね。
音楽の活動をしている人たちも、家から外の人たちとつながって頑張ってるんだなとかおもいました。報告書づくりでちょっとだけ心がすさんでました。おかげで、この数年自分がいろいろと頑張ってきたことを書類に書けば良いんだ!と思えてなんだか勇気が湧いてきました!!ラッキー。
音楽って良いですね。じーん。としてその後、力がみなぎってきました。それにしても高嶋さん、今回のことで初めての発見でした。素敵。。。

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今日もらった学校関係の知らせによれば、親が海外出張して帰国すると同居すると子どもは2週間学校に行けなくなるらしいです。弾丸出張して帰国後自分で予約したホテルにこもったとしても、その間家のことを全部夫にやってもらうことになってしまいます。非常に申し訳ないです。計画を練って乗り切ろうと思います。

今日はいろいろあったので寝る前にミシェル・オバマの映画Becomingを見ました。励まされる内容で、こういう時にありがたかったです。おやすみなさい🌙

拙訳を紹介していただきました

聖心女子学院の「校長室ブログ」に、拙訳『アンチ』(岩波書店)の紹介文を掲載していただきました。

紹介文「5月19日おもしろい本を読みましょう(60)ヨナタン・ヤヴィン『アンチ』」へのリンク: Spirit of "Mikokoro" | 聖心女子学院

この紹介文からは、キリスト教徒としての視点や、日々生徒と接している教育者としての視点を知ることができて勉強になりました。読者の愛を感じるとジーンとします。

ここ最近イスラエルと日本の交流や協力関係がしばしば注目され、ユダヤへの注目も高まっています。イスラエルの日常生活や文学が日本で知られていくのは、いよいよこれからだなあと感じています。

2020年のはじめくらいまではイスラエル人の間で日本への旅行はかなり盛んで、現地で何度か日本を観光したことがあるというツウのイスラエル人に会うことも多かったのです。イスラエルと日本を結ぶ直行便が定期的に運行される話もありました。

相手側がこちらに興味を持っていた状況で、日本側でも彼らの思想や文化についての理解をさらに深めれば、今後の交流が良い方向に盛んになるのではと思っていました。その矢先にコロナウイルスの件でお互いしばらく移動ができなくなってしまいました。

イスラエルの人たちともZoomなどで会うことはでき、楽しい時間を過ごすことができます。ありがたいことです。が、私はいつかまたみんなに直接会いたいです。そして心と心がぶつかり合うようなハグ、思いっきり最近考えていることや気持ちをぶつけるトークをしたいです。実は12月に行きましたが、もうあの空や空気や人々がもう懐かしいです。

イディッシュ語をきっかけにエルサレムに留学した私ですが、イスラエルヘブライ語の文化紹介も精力的にやっていきたいなと改めて思いました。

自分がかかわった本を読んでいただき、私もいろいろと考えるきっかけになりました。本って素敵ですね。感謝しています。

ところでこの学校のサイトでは、ほぼ毎日(!)在学生向けに本が紹介されています(ヒョエーすごい!)。生徒が学校とのつながりを感じられる仕組みはとても親切だと思います(オンライン授業もやっているようです)。こんな時期ですので本を読んで自分を深めたいところです。久しぶりに会った友だちや初めて会った人と同じ本の話で盛り上がれたら最高です。

私も海外の読書会の仲間に入ってイディッシュ語を読んでいます。仲間と物語に入り込める幸せな時間です。私には本を読んで関係を深めた人たちがたくさんいます。興奮して本の中身や作者について話し合う時間はとても幸せなひと時でした。

『アンチ』紹介文へのリンク:

Spirit of "Mikokoro" | 聖心女子学院

手帳 2020 チームワーク

この前ニューヨークのカフェでもらった手帳。カフェの人と話した時とても嬉しかったなあと思いながら眺めていたら、表紙に書いてあることに目がとまりました。今必要なことは、つながり、チームワークだなあと感じました。対面ではなかなか会えない日々が続きますが、なるべく良い方を見ながら、自分に本当に必要なのは何かを見極めて、人とのつながりを強化して、学んで自分を鍛えたいと思っています。

ニューヨークのカフェでもらいました。「チームワーク」という単語が心にしみます。

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An owner (I guess) of the Park Cafe, Spanish speaking Greek style food, in NY gave me a gift. Very nice cafe, fresh food.

フルーツがたくさん入ったヨーグルトがとても美味しかったです。優しいカフェ。

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#BookCoverChallenge #Day13

 

「共訳者のことば」が強烈!『うつりゆくこそ ことばなれ』

田中克彦先生と亀井孝先生の「共訳者のことば」が壮絶な『うつりゆくこそ ことばなれ』(エウジェニオ・コセリウ著 クロノス 1981)。三人の本気さが伝わってきます。紙とインクの世界の凄さ。

Sincronía, diacronía e historia: El problema del cambio lingüístico [Eugenio Coseriu] (Madrid 1973)

共訳者たちが何ページにもわたって激しく書き合っています。「共訳者のことば」が  I、II、そして追記(I)、(II)、(III)、さらに付記まで続き、かなり自由に綴られております。翻訳をされる方は、大変で悩んだときに読むと元気が出るんじゃないかと思います。

この本は田中克彦先生の授業の教科書でした。一応割引で売ってくれた気がします。授業の後で近所のサイゼリアでワインを飲んで、なんだかとても自由に話しました。本当に懐かしいです。

新学期に「ねえ、きみもいかない?」と、この授業に連れて行ってくれた先輩には、今でも大変感謝しています(その時この授業は自分の学年はまだ受講できなかった気がします)。

この本には授業中に自分でしたいろんな書き込みがあって「変化はたんなる偶発的なできごとではなく、言語の本質に属している」(p.85)というところに赤い線が引いてあったり、「変化とは破壊ではない」と書いてあったり、なぜか「フンボルト」、「ベルリン」、「タダ、試験なし、卒業は決まっていない」と書き込みがあったり、チュニジア料理店のビラが入っていたりします。しおりにしていたっぽいです。とにかく、変化は乱れではなく、いいこと、発展で、生きているということだということを学んだんだと思います。なんか興奮しながらいろいろと書き込んだのを覚えてます。かなり内容が濃い本で、著者も訳者も大変だったと思います。田中先生の本とご本人との出会いが私のイディッシュ人生の全てのはじまりでした。f:id:syidish:20200512151534j:image

激しい「共訳者のことば」はこうしめくくられています。亀井先生、「ついにあきらめて」ということで悔しさが伝わってきます。f:id:syidish:20200512151825j:image

ドラマだな。。。じーんときます。著者も訳者も本当にありがとうございました。

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#BookCoverChallenge #Day12

英語の教科書 プログレス Progress in English

私は中学から高校の時に Progress in English (Robert M. Flynn) という英語の教科書を使っていました。使っていた方はいらっしゃいますか。

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中学と高校の時、英語の授業がとっても辛かったです。テストの時は、だいたいいつも息が詰まる思いで答案を書いていたのを覚えています。今になってこの教科書を読んでみると著者の愛を感じて癒されます。Book1からBook5まであって、各本の最初に著者からの手紙がついています。下の写真は上5冊が新しいバージョン(Progress in English 21)、下5冊が以前のバージョンです。

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高校3年生のときにこの教科書の著者に会って感動しました。優しい方でした。今思うと、この教科書の影響はとても大きかったと思います。著者にも、私に英語を教えてくださったシスターと先生方にも本当に感謝しています。

ロバート・M・フリン - Wikipedia

#BookCoverChallenge #Day11

 

英語で読むいろんな言語の詩This Same Sky

This Same Sky
A Collection of Poems from around the World
Selected by Naomi Shihab Nye 

 (1996)

If you have some favorite writers, please let me know.

移動ができないこんな時期ですが、文学を読むと、遠いところにいる人たちの心の豊かさ、苦しみ、生活を感じます。いろんな言語で書かれた詩を英語で読むことができます。高校の時英語を教えてくれたシスターに教えてもらった本。おすすめ。

#BookCoverChallenge #Day10 #ThisSameSky

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知る人ぞ知る『コンサイスカタカナ語辞典』(三省堂 1994)

『コンサイスカタカナ語辞典』(三省堂 1994)

今は亡き、学部時代の指導教官がある日、この辞書で「ハムレット」や「タルト」をひいてみて欲しいと言うので、言われた通りにしたら面白すぎて動けなくなってしまいました。先生は面白い本に付箋をつけて、ビールと一緒に待っていてくれました。ずっと読んでいたい思い出の一冊。

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#BookCoverChallenge #Day9 #カタカナ #Katakana

かこさとしさんのエッセイ集『未来のだるまちゃんへ』

かこさとし さんのエッセイ集『未来のだるまちゃんへ』文藝春秋 2014

かこさんは第二次世界大戦で生き残った自分を責め、生きる意味を模索します。「大人はもう信用できない、飽き飽きだ。自分もその一員だった。大人ではなく、せめて子どもたちのためにお役に立てないだろうか(中略)伝えておきたい。だんだんとそう考えるようになりました(中略)非力な僕にはとうてい達しえない道を多くの方々に導き授けてもらいながら、どうにか歩いてきた気がします」
かこさん、ありがとうございました。

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#BookCoverChallenge #Day8 #SatoshiKako

ペストのことも書いてある『西欧中世史事典』

『西欧中世史事典』(ハンス・K・シュルツェ著 ミネルヴァ書房)は、学部時代の教科書のひとつです。面白いなと思って読んだので、今でも自分の本棚にあります。西欧中世のことが項目別に説明してあって勉強になります。いろいろなことについて書いてあります。興味深かったです。友人からバトンが回ってきてやっていた本の表紙紹介第1弾は、あっという間に終わりました。明日から次のバトンで第2弾をやる予定です。ただ、何かテーマを決めたほうがいいかなと思いはじめています。

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#BookCoverChallenge #Day7

医師のエッセイ『続 羊の歌 我が回想』

医療従事者の過酷な状況に直面しているというニュースが流れる中、加藤周一著『続 羊の歌 我が回想』(岩波新書)の書き出しを思い出しました。

本郷の病院の二等病室に住んでいた。昼は患者を診て、夜は研究室で顕微鏡を覗き、深夜に病院が寝静まってからは、内外の文芸家の著作を手当たり次第に読んでいた。病院での身分は、医学部の副手で、給料はなかった

『続 羊の歌 我が回想』加藤周一(1968 岩波書店

 

自分から進んでやったボランティア活動とは別の次元で、自分の専門を続けるために無給で働くということは私も経験がありますが本当に辛く、ときに自尊心を保つのが難しいです。耐え抜いた先に光があれば疲れた心が癒され、強くなれます。光が見えるまではなるべく地獄のイメージを頭に入れないようにする修行のような時間。

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#BookCoverChallenge #Day6

『トラウマ』岩波新書

明日がわからない毎日を過ごす中で宮地典子著『トラウマ』を思い出しました。

「優しさや弱さ、柔軟性や寛容性、多様性を重視すること」「人がただ生きていることに価値があるということ」‬トラウマ体験の克服について書いてあります。トラウマと向き合うことで心の傷は深まり、しばらくの間苦しむかもしれないけれど、その先には「これ昔の傷なの。もう痛くないよ」と語れる自分がいるはず。自分と向き合うことができる時間に読みたい本。

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‪#BookCoverChallenge #Day5 #岩波新書 #トラウマ

エッセイ集『文化人類学とわたし』

文化人類学川田順造先生のエッセイ集。これ強烈だったんだよな!と思って開いてみたら、やっぱり面白かったです。エッセイなだけに、たくさん綴ってあります。私も結構線を引いたり自分の意見や質問を書き込んだりしてあります。昔面白いと思ったところと、今面白いと思うところがあまりに違うのが不思議。時が経つと変わるもんですね。
An essay by Prof. Junzo Kawada, Japanese anthropologist, who translated Tristes Tropiques by Claude Levi-Strauss

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#BookCoverChallenge #Day4 #川田順造

生き抜くために『それでも人生にイエスと言う』

『夜と霧』の著者ヴィクトール・E・フランクルによる極限体験についての冷静な記述と分析。強制収容所、その後の人生で様々な困難を言語化することで乗り越えてきたのだろうなと感じました。特別な人に尊敬と感謝‬。

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I was influenced by him when I was a teenager. It's one of the reason why I study Yiddish.

#BookCoverChallenge #Day3 #ViktorEmilFrankl‪

ヘブライ語・ラディノ語『ホジャ』Djoha

『ホジャ』主人公ホジャは優しいお母さんのもと、のびのびと生きている男子。ホジャの笑える話がたくさん載ってます。

ホジャはお母さんから「マッチを買ってきて」と言われ、市場に出かけました。ホジャが家に戻ると、お母さんはホジャが使い終わったマッチを大量に持って帰ってきたことに気がつきます。「これは燃えつきているけど?」お母さんが聞くと、ホジャは「うん。ちゃんとつくマッチか、どうかぜんぶすって確かめたんだ」

これはイスラエルで出版されたラディノ語とヘブライ語が一冊になったバージョン。

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#Bookcoverchallenge #Day2 #Djoha

ヘブライ語絵本『猫のキシュタ』

目がかわいくて気になる『猫のキシュタ』

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愛を知った猫のお話。捨てられていたものを食べて生きていましたが、大切にしてくれる人に出会い、名前をつけてもらいます。愛と自尊心。ヘブライ語の絵本。

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何度も見てしまう味わい深い絵。目が変わるところも見どころ。

色のグラデーションもきれいです。
Kishta
By Hana Goldberg
Illustrated by Ora Ayal

#Bookcoverchallenge #Day1 #Kishta